ジョブズの想いは生きている? – Apple本社でソフトウェアエンジニア兼プロダクトマネージャーを務める赤川未來さん
本日のゲストは、ベイエリア20代社会人の会のオーガナイザーであり、Apple本社でソフトウェアエンジニア兼プロダクトマネージャーとして働く赤川未來さん(みらいくん)です。
赤川 未來 (Mirai Akagawa):
2015年、カーネギーメロン大学でElectrical and Computer Engineeringの学士号を取得。学生時代にApple本社でソフトウェアエンジニアのインターンを経験。2015年より、Apple本社にてソフトウェアエンジニア兼プロダクトマネージャーを務める。
チームからプロジェクトが派生
編集部:今ってAppleでどんなことをされてるんですか?
みらいくん:肩書きはソフトウェアエンジニアなんですが、プロダクトデザインやプロダクトマネジメントもやってます。ただ、僕はAppleが直接出しているソフトウェアのコードは書いてなくて、どちらかというとビジネス側のプロジェクトマネジメントであったり、ソフトウェアクオリティのためのツールを作ったりしてます。
編集部:じゃあ毎日コードを書いてるというよりはマネジメントもやりつつみたいな感じなんですね。ちなみに、具体的にはどんなことをされてるんですか?
みらいくん:詳しいことは言えないんですけど、例えばどうやったらデータをうまくビジュアル化できるかというプロジェクトがあった時に、じゃあ実際にどういったビジュアルにするのかとか、どういう表を使うのかというのを設計する感じです。

編集部:じゃあ入社した時からずっとマネジメントをしてるんですか?
みらいくん:今は入社3年目なんですが、1年目の時はエンジニアとしてずっとコードを書いてました。2年目くらいから少しずつ自分でプロジェクトを持つようになって、そこから徐々にマネジメント側になってという感じです。
編集部:それはもともと自分でそっちに行きたかったんですか?それとも会社からこっちをやってくれって言われたんですか?
みらいくん:もともと僕は物作りのプロセスがすごく好きで、例えば、問題提起から入って、実際に何が問題で、どうすれば解決できるのかを考えるのが好きなんです。なので、プロダクトマネジメントには最初から興味がありました。ただ、直接それをしたいと言ったことはないので、ミーティングでの発言やプロジェクトでの立ち振る舞いとかにそういった想いが現れてたのかしれないですね。
編集部:Appleほど大きな会社になると、プロジェクトやプロダクトの数も膨大になると思うんですが、そのあたりは自分がこのプロジェクトに関わりたいって言ったらできるもんなんですか?

みらいくん:そこまで選べたりはできないんですが、自分でやりたいプロジェクトをしているチームに接触してコネクションを作って、マネージャー同士がOKとなれば移れることはあります。なので、個人レベルでの異動は結構ありますね。2個掛け持ちしてる人もいたりするので。ただ、そのあたりはプロジェクトや人事にもよるので、さすがにダメなものはダメだったりしますが、とはいえダメと言われるまではやります (笑)
編集部:ダメと言われるまでやるっていうのがアメリカっぽいですね (笑) ちなみにチームって比較的スモールなものがいっぱいある感じなんですか?
みらいくん:そうですね。僕のチームは、最近ちょっと増えて13人になったんですけど、少し前までは8人でした。基本的にはみんなエンジニアで、たまに僕みたいに肩書きはエンジニアだけどプロジェクトマネジメントをしている人もいるって感じです。あと、Appleではプロジェクトごとにチームを作るのではなく、チームがあってそこからプロジェクトが派生していくことが多いので、例えばプロジェクトAはチームA、B、Cでやってるけど、プロジェクトBはチームA、D、Eでやってるみたいなことが多いですね。

編集部:チームからプロジェクトが派生していくと…ちなみに、チーム内でのナレッジ共有とかはあるんですか?
みらいくん:ありますよ。僕のチームでは毎週デモというセッションがあって、毎週誰かしらが何かしらのプレゼンをするんです。基本的にはどんなトピックでも良いことになってるんですが、やはりテック関係のことが多いですね。たまに、ベーコンの特殊な調理法を紹介するみたいな変なのはありますが (笑)
編集部:そのデモっていうのは自分たちで自主的にやってるんですか?
みらいくん:比較的、俺らでやろうよ系ですね。例えば、プロジェクトAでは新しい言語を使ってて、この言語ではこういうことがうまくできるからこれはチーム内でもシェアしようみたいな。
編集部:ちなみに、チーム外とか社外から人を招いて講演会を開いたりもするんですか?
みらいくん:たまにそういうのもあります。ただ、社内に色んな分野のエキスパートがいるので、社内から招くことが多いですね。その方が情報漏洩を防ぐという観点からも安心ですし。
スティーブ・ジョブズの想い
編集部:もうApple Parkって出来たんでしたっけ?
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アップル・パークは、カリフォルニア州クパチーノにある
アップルの新本社ビルを中心とする施設*
みらくん:Apple Parkは今作っているところなので、引っ越しはまだ始まってないです。なので、今はInfinite loop)というところにいます。ぶっちゃけパブリック以上のことは僕らも知らされてないんですよ。
編集部:やはり秘密主義なんですね。
みらいくん:間違いないです。そこは社内でもすごく厳しくて、プロダクトに関与してない限りその情報を知らされることはないですし、プロダクトの発表日も知らされないです。それはいつもそうで、必要以上に情報をばら撒かないっていうのはあります。なので、全てを知っているのはおそらく幹部レベルだけですね。
編集部:じゃあ、先日のiPhone Xの発表を見て、みんなで「おーこれかー」みたいな感じなんですか?

新本社のスティーブ・ジョブズ・シアターで開催された
iPhone Xの発表会 | TechCrunch
みらいくん:そうですね。まあどこかしらには関与してるので、知ってることもあったりはするんですが、基本的には発表日にチームのみんなで見る感じです。結構盛り上がりますよ (笑)
編集部:実際に中で働いてると、もう少し教えてもらいたいみたいなもどかしさはないんですか?
みらいくん:それはありますね。ただ、それが文化でもあるので。あとそれにはちゃんと理由があって、秘密を守ることによってプロダクトをローンチした時にユーザーに驚きを与えられて、結果としてユーザーの満足度も上がるんです。やはり、発表前に内容を知っていたら、発表会って面白くなくなるじゃないですか。まあ残念ながらリークとかはあったりするんですけど、やはりカルチャー的には秘密を守って発表会でバンッと綺麗に爆発させるって感じですね。
編集部:じゃあ情報漏洩の観点からも、社内で使うツールには制限があったりするんですか?
みらいくん:そのあたりはチームごとに違いますし、比較的個人の自由が効きます。ただ、データを外部に保存するようなプロダクトは一切使えないです。例えば、Google Docsなどのフリーソフトはユーザーコンテンツをもとに広告を打ったりするので、情報漏洩のリスクから業務上利用できないんです。
編集部:じゃあそういうのは全部自社開発なんですか?
みらいくん:自社開発するか、そういったデータを外部に保存しないって契約に書いてるプロダクトを使うかですかね。
編集部:めちゃくちゃ徹底してますね (笑) なんか情報に対する感度がすごい (笑) やはり、そういった文化というのは創業者のスティーブ・ジョブズから来てるんですか?
みらいくん:そうですね。Appleの文化はかなりスティーブ・ジョブズの影響が根付いてます。
ジョブズがいなくなった今…
編集部:スティーブ・ジョブズが亡くなってから何か変化ってあるんですか?
みらいくん:僕はスティーブ・ジョブズが社長だった頃には入社してなかったので、聞いた話でしかないんですが、カルチャーとかではなくて細かいオペレーションの部分が変わったらしいです。例えば、スティーブ・ジョブズってベーコンが嫌いで、それだけの理由で会社のカフェテリアからベーコンを消したらしいんです (笑) なので、そういったもともと必要なかった部分が修正されるみたいなことはあったらしいです。
編集部:自分が嫌いだから消すって (笑)

編集部:ちなみに、社外のメディアだとティム・クックはスティーブにはなれないって言われてたりするじゃないですか。実際、内部の人たちはそのあたりのことをどう思ってるんですか?
戻ってきて、ジョブズ!「ティム・クック氏のAppleはつまらない」元従業員が激白 | iPhone Mania
みらいくん:間違いなくなれないですね。でもそれは本人も認めてますし、そもそもなろうともしてないです。でも、そこは二人とも違う存在なので良いんです。スティーブ・ジョブズは天才であり神であって、ティム・クックは尊敬できるリーダーなんです。
編集部:社内でティム・クックに会ったりするんですか?
みらいくん:そうですね。たまに見かけますよ!この前だと、サラダバーに並んでました (笑)
編集部:え!あのティム・クックがサラダバーに並んでたんですか (笑) そういうのは秘書とかにやらせるのかと思ってました (笑)
みらいくん:そういうところで変に奢っていないのが、純粋に人として尊敬できる部分でもあります。

アジアの拠点はずっと東京?
編集部:そういえば、Appleジャパンとの繋がりってあるんですか?
みらいくん:繋がってますよ。僕のチームはクパチーノ以外にはチームを持ってないんですが、サポートチームとかだと24時間稼働していないといけないので、世界的に使いやすいのが時差が8時間ずつズレているアメリカ西海岸、東京、パリかロンドンですね。なので、東京はそう言った意味でも昔から使われてます。
編集部:なんだか嬉しいですね。
みらいくん:Appleってもう創業から40年なのでシリコンバレーの中だとおじいちゃんなんですが、それでも2,30年遡ってみると、アジアといえば日本だったんです。これはスティーブ・ジョブズが親日家だったからというのもあるんですが、その頃っていうのはバブルもありましたし、”Japan As Number One“の時期でもあったので、アジアの拠点を日本に置くっていうのは当たり前だったんです。なので日本法人っていうのは結構歴史が長いですね。

編集部:ちなみに、本社の中に日本人ってどれくらいいるんですか?
みらいくん:この前クパチーノ内で飲み会をやろうってなった時に、メーリングリストには70人くらいいたので、それくらいはいるのかなと思います。クパチーノ全体で社員が2万人くらいいた気がするので、2万分の70ですね。
編集部:思ったより少ないですね…やはりエンジニアだとインドや中国が多いんですか?
みらいくん:一番多いのはアメリカ人で、その中でも白人が多いです。やはり古い会社っていうのは白人が多いんです。というのも、古い会社っていうのは前からいた人材が残ってて、30年前はインドとか他のところから学生がそんなに来てなかったので。それに関しては結構指摘されてるんですけど、でも歴史をたどってみるとある程度仕方ないことなのかなと思います。その人たちをいきなりクビにするわけにもいかないので (笑)
カーネギーメロン大学は超スパルタ
編集部:ちなみにアメリカにはいつから来てるんですか?
みらいくん:2011年ですね。カーネギーメロン大学でEletrical & Computer Engineering (ECE) というコンピュータ工学とHuman Computer Interaction (HCI) という人とコンピュータを科学するような専攻を修了しました。
HCIとは、人とコンピューターの関連を調べることで、人がコンピューターをより効率的に使えるような設計を研究する分野です。グラフィックデザインのほか、コンピューターサイエンス、情報科学、人間工学、認知エンジニアリング、心理学、社会学といった分野との相互関連も見られます。-MITSUE LINKS
編集部:すごい!ダブルメジャーなんですね!ちなみに、そのECEを専攻したのには何か理由があるんですか?
みらいくん:1つあるとすれば、母の友達にNASAのソフトウェアエンジニアがいたんですが、彼に少しだけプログラミングを教えてもらったことですかね。入門中の入門ではあったんですが、その時彼に「お前はこれをやった方が良い」みたいなことを言われて、そこから少しずつ興味を持ち始めました。その時は中学生だったので少し忘れてたんですけど、高校3年の時にふとそれを思い出して、よしそれをやろうとECEを選びました。
編集部:大学からアメリカっていうのは、ECEの分野ではアメリカの方が進んでいるからですか?
みらいくん:特に国にこだわりがあったわけではないんですが、自分がやりたかったことに一番フィットしていたというのが大きいですね。でも大学ランキングをみてると、アメリカの大学は上位が多いですよね。特にコンピュータサイエンス系だとトップはほぼ決まっていて、MIT、カーネギーメロン、バークレー、スタンフォードとかなんです。もうずっと動いてないです。
世界大学ランキング:コンピューター科学部門1位〜25位
編集部:殿堂入りですね (笑)
みらいくん:あと、僕は生い立ち的に少しイタリアに住んでいたことがあって、イタリアのインターナショナルスクールに通ってたんですが、その頃から母親が日本の教育システムを結構嫌っていて、日本の大学はNGだったんです (笑)

編集部:え、その時点で日本の大学は無くなってたんですか (笑) ちなみに、コンピュータサイエンス系だとシリコンバレーがある西海岸も魅力があったんじゃないかと思うんですけど、なぜ東海岸のカーネギーを選んだんですか?
みらいくん:実は、第一志望はスタンフォードだったんですが、そこに受からなかったのでカーネギーにしたんです。でも結果的にはそこで良かったなと思ってます。というのも、僕は元々やらなくてもいいならやらないみたいな性格なので、スタンフォードみたいに自由で環境も整ってるところに行ってたら、おそらくやらなくてもいいやって感じでだらけてたと思うので。それと比べるとカーネギーがあるピッツバーグはめちゃくちゃ寒いし、大学もスパルタだし…そういう意味で、僕にとってカーネギーは負荷もあり成長できる環境でした。
編集部:スパルタというと課題とかも結構あったんですか?
みらいくん:まあ、半端じゃないですね (笑) 例えば、日曜日の日中から課題をスタートして朝4時までやっても終わらないくらいです。月曜も火曜も水曜も朝の4時とか5時までやるんですが、まあ木曜あたりになると体がもたなくてダウンしちゃうんです (笑) 本当に毎週こんな感じでしたね。もちろん金曜日は飲みに行くんですが、まさに”Work hard, play hard.”って感じです。
編集部:田舎だし、天気悪いし、課題終わらないしで、なんか色々やばいですね (笑) 体調崩したり辞めたりする人はいなかったんですか?
みらいくん:結構いましたよ。中退率もめちゃくちゃ高くて、僕の学科だとスタート時点では300人いたんですが、卒業したのは100人とかでした (笑) ほぼフェードアウトです。
編集部:もはや軍隊ですね (笑) そういう環境を卒業してると、今って暇だなってならないんですか?
みらいくん:ありますね。ただAppleの場合は、会社側からの期待値とか要求水準が高く、みんなもそのプロジェクトを成功させたいっていう願望が強いので、結果的に残業したりってことはあります。あと、基本的には最後までしっかりとやりきる文化なんですが、金曜は早く帰ったりとメリハリのある働き方をしている人は多いです。

編集部:ちなみに、今ってビザどうしてるんですか?
みらいくん:今は正確にいうとF1ビザ(学生ビザ)を使っていて、そのOPTで働いてます。卒業した学科がSTEMなので3年間OPTが有効なんですが、毎年H1-Bビザ (就労ビザ) を受けてます。今のところ抽選で当たってないので、運がきてないですね (笑) 来年がラストチャンスなので、来年どうにかしないと。。。どうなるんですかね (笑)
STEM教育 (ステムきょういく) とは、”Science, Technology, Engineering and Mathematics” を総称する語である。–Wikipedia
OPT (Optional Practical Training) とは、学生ビザ (F-1) で就学している学生が専攻した分野と関連のある職種で、プログラム修了後に企業での実地研修を行うもの。–留学サイト.com
編集部:あれって会社がサポートしたらビザが出るってものでもないんですか?
みらいくん:そうじゃないんですよ。H1-Bビザっていうのは会社のフルサポートでも抽選になってるんです。あと、どの会社にいるかも関係ないんです。なので、例えば、Apple社員だろうが田舎の工場の人だろうが同じ土台で抽選にかけられるんです。
編集部:ある意味平等といえば平等ですね (笑)
Appleとの不思議な縁
編集部:ちなみに、どういう経緯でAppleに入社したんですか?
みらいくん:実はAppleとはすごく不思議な縁で結ばれていて、遡って言うと高校を卒業する年にみんなが大学受験とかの話をしてる中、なぜか僕だけはAppleで働くって言ってたんです。っていうのも、当時スティーブ・ジョブズのスタンフォードのスピーチにすごく感化させられてたので。
編集部:たしかにあのスピーチは僕も好きです。
みらいくん:それで大学に入ったんですが、大学ではそのことを忘れかけてたんですね。それでインターンの時期が来て、色んな企業を受けてみたんですが、なかなかしっくりくるところがなくて困ってたんです。そしたら、なぜかいきなりApple側から僕にメールが来て、インターンしませんかと。

編集部:そんなことあります? (笑)
みらいくん:僕もよく分からないんですけど、誰かが僕のレジュメを勝手に出してたみたいで、リファラルが来たというか、「誰かがあなたのことを紹介してくれたのでAppleでインターンしませんか?」というメールがリクルーターから来たんです。それは行くしかないでしょうと (笑) それでAppleでインターンをして、そのままAppleに就職した感じです。
編集部:要するにAppleに引き寄せられたんですね (笑) 実際に入ってみて何かギャップってありましたか?
みらいくん:Appleみたいな成功してる企業だと全てが整っててプロセスも100%決まってるのかなと思われがちなんですが、実はそうではなかったというところですかね。毎年プロセスを変えたり、これはだめじゃないかといきなりやめたりもするので。なので、各チームがスタートアップで、そのスタートアップを集めた組織って感じです。
今後のキャリア観 / 起業はプロセス
編集部:今って3年目じゃないですか。今後のキャリア観ってどんな感じですか?
みらいくん:僕は物作りが好きなので、その物作りの延長線上で何か人類の発展に貢献できるものを創造し続けたいなと思います。あと、流れというかフローも大事にしていきたいですね。というのも、そういった流れの中でチャンスが来て、そこから何かが始まることって多いと思うので。なので、その目標に関わっていればどこにいても何をやってても僕はハッピーです。

編集部:ちなみに起業には興味ないの?
みらいくん:起業願望は全くないですね。僕は起業っていうのはただのプロセスであって目的地ではないと思ってるんです。例えば、大工さんがトンカチを使って何かを作るのと同じで、起業っていうのはこのトンカチであって、目的地ではないんです。なので、自分がやりたいことがやれる環境が他になくて起業が必要になった時には起業すると思うんですが、起業したいから起業するということはないですね。
編集部:今後のキャリアを考えた時にロールモデルとしてる人っているんですか?
みらいくん:いますね。エンジニアだと、社内の方なんですが、すごく面白くてアクティブな人がいるんです。ロッククライミングに行ったり、ハイキングに行ったり、世界旅行をしたり。でも、ある意味オタクみたいなエンジニアで、そのライフスタイルがカッコいいなと思ってます。マネジメントだと僕の上司ですね。彼は本当にプロのマネージャーで、全てをうまく丸く統括するスキルがすごいんです。未だにどうやってるのかはわからないんですが、ミーティングで変な空気になっても、そこをうまく切り替えたりするんです。なので、そういった喋り方やトピックの変え方などは見習いたいなと思ってます。
趣味はWikipedia鑑賞 (笑)
編集部:ちなみに情報のインプットってどうしてるんですか?やはり本ですか?
みらいくん:本はそこまで読まないですね。大学時代は結構読んでましたが、入社してからはほぼ読んでないです。ただ、ネットはめちゃくちゃ見ます。実は僕、Wikipediaを読むっていう変な趣味があるんですよ (笑)
編集部:なんですかそれ (笑)
みらいくん:っていうのも、Wikipediaって単語とか参照の部分にリンクが付いてるじゃないですか。あれが最高なんですよ。飽きたらすぐ辞めれるし、違うトピックがあったらすぐ飛べるので。本だとこれができないんですよ。
編集部:たしかにそれはありますね。ちなみに、土日って何されてるんですか?友達と飲んだり遊んだりですか?
みらいくん:忙しいときは働いてますが、ベイエリア20代社会人の会を立ち上げてからは、そこで会う日本人の方と飲むことが多いです。
ベイエリア20代社会人の会とは?
編集部:ちなみにその20代社会人の会は、どういった経緯で立ち上げたんですか?
みらいくん:もともとは80年代の会っていうのが別にあって、ベイエリアで働く日本人の方が結構参加されてたんですよ。なので、そういうのがあるなら僕らで90年代の会もやろうよと試みたのが始まりです。でも実際にやり始めてみると、思ったより学生が多くて、学生と社会人の割合が9対1みたいな感じになっちゃったんです。

編集部:それは (笑)
みらいくん:年齢的にはあんまりギャップがなかったんですが、やはり考え方や目標が違うというか…学生は就活のことを考えていて、社会人はライフゴールみたいなものを考えていたので。なので、どちらかというと社会人がメンターみたいな感じになってあまり楽しめなかったんです。あと、90年代って99年まであるじゃないですか。だから17,18歳くらいまで入ってて、さすがに違うなと (笑) あとアメリカだと年齢確認も厳しいので、場所とかも結構制限されたりと大変でした。
編集部:たしかに90年代とは言っても幅広いですもんね (笑)
みらいくん:なので、もう少し社会人のためのことをやろうよって考えて、僕と友達でベイエリア20代社会人の会を立ち上げました。最初はグループもなくて、ただメッセンジャーでスレッド立てて「軽く飲みたい人」って感じで人を集めてたんですが、意外と人が集まったので、これはいけるんじゃないかとグループ化させて、今に至る感じです。
編集部:じゃあ今は学生さんはお断りなんですか?
みらいくん:いや、基本的にはみんなウェルカムなんですけど、一応形式的には社会人のための会ですよっていうのは明確にしておきたいですね。もちろん社会人だけに限らず、社会に何かしら関係のある人、だから大学院生とかはこっちに入れてるんですけど、一回も社会に出たことのない人っていうのはどうかなと。
編集部:なるほど、質の担保じゃないですけど、会の趣旨ははっきりさせておきたいと。実際にやってみた所感としてはどうですか?面白い日本人はいますか?
みらいくん:そうですね。やっぱり、シリコンバレーやベイエリアで出会う日本人は何かしら特殊なものを持ってるなと思いますね。なんか、日本の一般社会にフィットしなかったからここにいるみたいな気もしますが (笑)

編集部:たしかに、なんとも言えない、良い意味で変というか尖った人は多いですよね (笑) ちなみにこの20代社会人の会があるっていうのは公にしても大丈夫ですか?めちゃくちゃ来たいみたいな人が増えるかもしれないですが。
みらいくん:大丈夫ですよ。ちゃんとグループを承認制にしてるので。ただ、入る時にどういった目的で入りたいのかっていうのは聞いてるので、そこは答えてもらいたいです。
編集部:じゃあもしこの記事を見て、この会に入りたいと思った方は「SiliconValleyWorkersを見ました!」っていうのを言ってもらえればアクセプト率も上がると思うので、ぜひどうぞ (笑)
ネットワークの濃さ
編集部:ちなみに、実際にこっちで働いてみてネットワークの重要性を肌で感じたりしますか?
みらいくん:ありますね。やはりこっちはネットワーク社会です。どれだけ色んな人と接触して、色んなことを話して、色んなことを盗み取れるかってのはあります。もちろんギブアンドテイクですが。
編集部:なんか僕らで話してて、中国とかインドってネットワークが異常に強いなって思うんです。これはクラスにいるインド人から聞いたんですが、インドの場合サンノゼで5万人くらいのネットワーキングもあるみたいです。VISAの副社長を招待して交流するみたいな。みんな一日中踊るらしいですが (笑) だから、それに比べると日本人って比較的ネットワークが弱いんじゃないかなと思うんです。

みらいくん:たしかに、彼らと比べると人数は少ないかもしれないですが、その分ネットワークは濃いと思うんです。例えば、一度知り合って親しくする人たちっていうのは本当に仲間になれるというか。なので、そう言った意味では、インドとか中国よりも日本人ネットワークの方が濃さはあるのかなと思います。
編集部:たしかに、20代の会みたいなきっかけがあると、そこ同士の繋がりは濃くなっていきますもんね。
みらいくん:まさにそうですね。なので、1つ中心となるトピックがあって、そこを中心に人が集まれば軸もぶれないのかなと。そこを雑にしすぎると何がなにか分からなくなってしまうので。
とにかく来てみて下さい!
編集部:最後に、こちらで挑戦したいけどなかなかその一歩が踏み出せないような方にメッセージをもらえませんか?最前線の人の言葉は響くと思うんです。
みらいくん:そうですね。チャンスっていうのはどこかしらにあって、それを自分が捕まえに行くかどうかが大事だと思うので、それを捕まえに行ってください。それはアメリカだけではなく全般的にです。なので、殻にこもるのではなく、オープンになって色んなことにチャレンジしてみて下さい。もちろん心配事や悩み事もあるとは思うんですが、そこで一歩踏み出してみるともっと違うものが見えてくると思うので。そうすると、もっと幸せになれるんじゃないかと思います。
編集部:ぜひ一歩踏み出して20代社会人の会に参加するのもいいですね (笑) ネットワークもすぐ広がるし。
みらいくん:これで「SiliconValleyWorkersを見て日本から来るんですけど」ってなったら驚きですね (笑) あとは一度とにかくアメリカに来てみて下さい。日本から出ない人って多いじゃないですか。ちょっと出てみて、なんか違うことあるかなーって気楽な感じでシリコンバレーとかに来てみるのも良いと思います。来てみて違うなってなれば帰れば良いだけなので、来て損は絶対ないです。
編集部:間違いないですね!みらいくん、今日は本当にありがとうございました!

おわりに
今回は米国Apple本社で働くみらいくんにインタビューしましたが、Appleとの不思議な縁やチーム内での働き方など、実際にApple内部で働く人の声が聞けるというのはとても貴重な体験でした。また、20代社会人の会を立ち上げた経緯は個人的にすごく気になっていたので、今回の取材で立ち上げの裏話が聞けてスッキリしました。僕もみらいくんを見習ってWikipediaを読みはじめてみます!(笑)

撮影後に行ったChez Mamanというフレンチレストランのオニオンスープが、ここ最近でダントツに美味しかったです!笑
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