Silicon Valley Workers

シリコンバレーで働く日本人の声を届ける

シリコンバレーのおしどり夫婦が実践する『目標共有ノート』#ミレニアル世代の夫婦円満術

インタビューIT系エンジニアサンフランシスコスタートアップチョコラテメルカリ夫婦女性起業家小説家起業家

会社というモンスターに悩むミレニアル世代。「早く自由になりたい」業界人間。

AI・ブロックチェーン・VR/ARといった科学技術が発達する今、場所に依存せず好きなことをやり続ける生き方が注目されている。しかし、自分のやりたいことを優先しすぎて、大事な人をないがしろにしてしまっては本末転倒である。

海を渡ったシリコンバレーに、理想の夫婦像を体現する二人がいる。『チョコラテ』CEOで小説家でもある今井みさこさん (みささん) と、『メルカリ』サンフランシスコオフィスでAndroidエンジニアをされている今井智章さん (ともさん) だ。

お互いのやりたいことを最大限に尊重し、夢に向かって邁進する今井さん夫婦に『ミレニアル世代の夫婦円満術』を伺った。

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場所に依存しない働き方

編集部:みささんは普段どんなことをされてるんですか?

みささん:1日の多くは語学学校で英語の勉強をしています。7月からはカレッジでデザインを専攻するのでサンフランシスコに来てから多くの時間を“スキルアップ”に費やしています。あとは、日本に株式会社チョコラテ (Chocolatte Inc.) という法人があって、現在約20名の日本の作家さんと一緒にLINEのようにタップ式で読める物語を作っています。私は執筆と編集両方を遠隔でやっています。もちろん家事もやってますよ!

編集部:すごい、3足くらいわらじを履いてるんですね。しかも遠隔!

みささん:もちろん作家さんと顔を合わせてやるのがベストだとは思うんですけど、そんなに細かい指摘が必要なわけでもないし、時間も締め切りまでに出来上がればいいという感じなので、遠隔でもできるんです。

編集部:じゃあ、場所に依存せず、スキルがあればどこでもできると。

みささん:そう。もちろん、私が日本にいればもっとできることもあるんだけど、今はこっちでできる仕事を持ててるので、それだけで良かったなって感じです。だから日本でお世話になっている方にはすごく感謝してますね。

編集部:今は自分で書くというより、誰かが書いたものを編集するのがメインなんですか?

みささん:いや、半々ですね。自分で執筆もしますよ。あとは、色んな人のスケジュールを管理しつつ、こうした方がいいよねとか、こういう作品作りたいよねとか、イラストを載せてもらったりとか。

画面をタップすると話が展開する新感覚の恋愛チャット小説
続きはこちら / アプリはこちら『Chat Novel

編集部:色々とやってるわけですね。一方、ともさんは今どんなことをされているんですか?

ともさん:メルカリのサンフランシスコオフィスで、US向けアプリを作っていて、自分はAndroidを担当してます。今はテックリードっていう、技術的なロードマップを引いたり、技術の策定などをしていて、実際にどういうものを導入するかを決めたりしてますね。

編集部:ともさんもエンジニアなので場所に依存しないですよね?

ともさん:そうですね。ただ、会社としては「All for One」というみんなが一緒のところに集まってやるのを大事にしているので、あまりリモートワーク自体は推奨されてないですね。とはいえ、柔軟さはあるので、特にサンフランシスコだと、マーケチームは金曜日はもうみんなワークフロムホームって感じで、オフィスには来てないです。

編集部:やはり、そういう柔軟さというのはOKR* (Objective and Key Results) で個人のやるべきことがはっきりしているからなんですか?
*目標とその達成度を測る指標をリンクさせ、企業・チーム・個人が向かうべき方向とやるべきことを明確にする目標管理手法

ともさん:そうですね。アメリカの会社だと結構そうだと思うんですけど、個人の役割とかロールがはっきりしてるんで、そこをちゃんとやっていれば基本的にどう働こうが自由っていうスタンスではありますね。

編集部:じゃあ、やることさえやっていれば、場所に依存せず働けると。

ともさんは、以前取材したメルカリSFオフィスのAndroidエンジニア牧野直矢さんと一緒のチームで働いているとのこと。

健康的な生活がアウトプットを高める

みささん:だからそれを極めたいんだよね?アメリカに限らず。

ともさん:そうですね。

編集部:極める?(笑)

ともさん:村上春樹さんのライフスタイルに憧れてて、あの人は午前中に仕事をして、午後はもうリラックスなんですよ。本を読んだり、ご飯を作ったりっていう感じで。そういうのがすごく良いなって思います。

実は日本のメルカリにいた時は結構長く働いてたんですけど、こっちに来て分かったのは、短い時間でちゃんと集中してやった方が良いコードが書けるんですよね。だから、長時間やることにそんなに意味はないし、たぶん時間を短くしたら実はもっと良いアウトプットが出るんじゃないかなって思います。

編集部:なるほど。制限を設けることで、アウトプットの質が高まるかもしれないと。そうすれば、プライベートの時間も増えるから、Win-Winだし、すごく良いですね。

みささん:今は寝る時間もちゃんと確保できてて、たぶん私、今が人生で一番健康的だと思うんです。日本にいた時は、帰ってくるのが遅かったから、ご飯も簡単に済ませて、すぐ寝てすぐ起きて仕事行ってみたいな感じだったけど、こっちだと19時には帰ってきて、ご飯も二人で作って、運動もして、12時前には絶対寝てるんです。

ともさん:健康的だよね。

みささん:だから健康的な生活もアウトプットに対して良い影響を与えてるんじゃないかと思います。ちゃんと睡眠・食事・運動をするから、ストレスも溜めずに仕事ができるし。

みささんお手製のお弁当 / 夕飯

編集部:メルカリのそういう働き方というのは、やはり進太郎さんや小泉さんたちの考え方から来てるんですか?

ともさん:そう思いますね。二人ともアメリカ展開してるときに子どもが生まれて、そういう「子どもがいても働きやすい環境ってどうやったら作れるんだろう」っていうのを結構考えていたから、それが結果的に今の色んな社内制度に反映されてるのかなって思います。サンフランシスコオフィスでも、つい最近、CEOのジョン・ラーゲリンが2ヶ月間くらい育休を取ってましたね。

メルカリの経営陣 [引用: メルカリ企業情報]

編集部:すごい!やっぱり上が率先して育休を取ることで下の人も取りやすくなりますよね。

みささん:だからすごく一緒に過ごせる時間が多くて、アメリカっぽく二人でヨガしたり、ジャグジーに行ったり、プールに行ったり。充実した毎日を過ごしてます。

メルカリ第一号のアメリカ赴任

編集部:そもそもアメリカにはどういう経緯で来られたんですか?

ともさん:メルカリ自体が元々アメリカでアプリを出すっていう前提でやっていたんですけど、最初はずっと日本から作ってたんですよね。でも、やっぱり現地のプロダクトマネジャーやデザイナーと話しながらプロダクトを作っていかないと、全然うまくワークしないし、良いものが作れないってなって。それで、「ちょっと赴任してやってみましょうか」っていうことで、自分が最初の赴任者としてアメリカに来たんです。

編集部:日本人初ですか?

ともさん:そうですね。

編集部:すごい!

ともさん:ただ、ビザの取得とかに時間がかかったので、実際にアメリカに赴任したのは2016年の1月です。出張で行き始めたのは2015年に入ってからだったんですが。

編集部メモ:
ともさんがメルカリに入ったのは2014年の3月でまだメルカリの従業員が20人くらいの頃である。USのプロダクト自体は2014年の9月頃には出ていたという。

みささん:簡単じゃないですもんね、日本企業がこっちで拠点作ってビザ出すようになるまでって。

ともさん:自分が最初の赴任者だったので全然ノウハウもなくて。。。

編集部:たしかに(笑)

ともさん:まず、そもそもどうするんだみたいなところから始まって、引っ越しとかもどうすれば良いんだみたいな。まあ、そういう赴任に関することは、自分が来たことで今の制度が決まっていったんじゃないかなって思います。

編集部:じゃあ、ともさんがその道を開拓していったと。たしかに、大きな会社だったら総務とか法務の担当者も慣れてるだろうけど、そうじゃないとビザの取り方も含めて分からないことだらけですもんね。

ともさん:ほんとに手探りでしたね。なんなら、最初の頃の出張は、現会長の山田進太郎がみんなの飛行機を取ってて…(笑)

編集部:え?あの進太郎さんが飛行機取ってたんですか?(笑)

ともさん:取ってもらってました。これが安いからこれにしようみたいなメールが来て、じゃあそれで、みたいな(笑)

編集部:それは…(笑) 今となっては考えられないですね。

ともさん:今は絶対そんなことないですけど、当時はそれくらい緩くフラットな感じでやってました。それで、出会った経緯は…

たまたま訪れた4日間で出会う

みささん:もともと私は大学卒業後出版社で働いていて、その後ゲームやアニメなどクロスメディア展開になるような原作を作る会社で勤務していて、25歳を手前に今後どうしようって悩んでたんです。

女の子ってすごく忙しいと思うんですよ、25歳を越えると。世の中は結婚しなきゃいけないっていうし、子どもも作れっていうし、キャリアもちゃんとしろって言うでしょ?だからそういう情報にすごく圧迫されてた。

編集部:社会からの見えないプレッシャーがあったと。

みささん:そう。アラサー女子の漫画が出たりとか、そういう恋愛ドラマをやってたりしてて、「えー!あと5年の間にそんな色んなことやんなきゃいけないの?」みたいな。そう思ったら、自分がチャレンジしたいことは早くやったほうが良いなと思って、その一つが「海外に行ってみたい」ということだったんです。

私はずっとエンターテイメントをやってきたし、これからもやりたいと思っているので、先生となる一つがディズニーとかピクサーなんです。世界中で見てもらえる作品ってどうやって作られてるんだろうとか、日本のものとはどう違うんだろうとか、そのコンテンツの作り方とかみんなの働き方が知りたくて。

それでディズニーに訪問したいって思ってたら、本当にタイミングよく色んな方に出会えて、ディズニーに訪問できることになったんです。それで退職後すぐにアメリカに行くことにしました。ディズニーに何日間か滞在してたら、今度はピクサーの人に出会ってピクサーにも訪問できることになって。

PIXAR Animation Studioに訪れた際の写真

編集部:わらしべ長者感がすごい(笑)

みささん:じゃあサンフランシスコに行くか!みたいな感じで、4日間だけサンフランシスコに行くことになったんです。2日間はピクサーの予定があったけど、それ以外は空いてたから、色んな人に会おうと思って色々連絡を取ってたら、ちょうど日本人の起業家の友達が飲み会やるからおいでよってことで誘ってくれて。そこで偶然ともあきさんに出会ったんです。

編集部:え、その4日間で出会ったんですか!?

みささん:そう。私がサンフランシスコに来た初日の夜に出会って、そこからなんだかんだ4日間会ってたんです。

ともさん:アニメのことをやってるって言ってたので、自分の知り合いがクランチロールっていうアニメの配信会社でエンジニアをやっていたから彼を紹介してあげたりとか。

クランチロール (Crunchyroll) は、日本のアニメ・ドラマ・漫画などのコンテンツを配信する米国サンフランシスコに本社を構える企業。

みささん:それで、次の日もまた会おうってなるじゃないですか。あとは、英語が不安だったから、ちょっと来て欲しいなみたいな連絡をしたら来てくれたりとか。

編集部:なるほど。警備兼通訳みたいな。言い方はアレですけど(笑)

みささん:でもそんなに通訳の必要もなかったんですよね。

編集部:どういうことですか?

みささん:そのときは今より英語ができなかったけど、すごくパッションがあったので勢いで通じてたんです(笑)

編集部:通じてたんですか?気合いで?

ともさん:よく考えると喋れてなかった気がするけど、本当に通じてました(笑)

編集部:すごい(笑) 勢いって大事ですね。

観光ビザを180日使い果たした「愛」

みささん:そのあとは、日本での仕事があったので日本に帰り、その仕事を引き受けるために法人化する必要があるなということで、さまざまな人にお知恵をいただきながら法人化を進めて今のチョコラテを設立しました。そして、なんとまた2週間後にサンフランシスコに戻って来たんです(笑)

編集部:え、2週間後?

みささん:その時ちょうど彼の誕生日で。それで、お祝いするよみたいな感じでまた来るっていう…(笑)

編集部:そのために行ったんですか?

みささん:そう(笑) 来たんだよね、私がサンフランシスコに。

編集部:じゃあ、もう最初の4日間でお互いに第一印象が良かったと。

みささん:そうですね。日本に帰ってからもすごく連絡来るし、なんだろうって思って。

編集部:なんだろうって、、、なんだろう(笑)

みささん:それでサンフランシスコに戻って、ちゃんと付き合ったんです。

ともさん:そうだね。

みささん:起業とかもあって色々と忙しかったんですけど、起業したからある程度自分で時間を作れるというか、1ヶ月間日本でワーっと働いて、2週間サンフランシスコでバケーションするみたいなのを、5回くらい繰り返して。

編集部:新しい働き方(笑)

みささん:そのとき私は観光ビザ (ESTA) だったので、年間180日しかアメリカに滞在できなかったんですよ。それもどんどんリミットに近づいていってて。

編集部:ESTAで180日近く滞在する人なんて聞いたことないですよ(笑)

みささん:だから私も最後の方は、入国審査官に「彼氏いるんじゃないの?」ってすごくきつい感じで聞かれて。。。それで、いるって言ったらだめなんですよね。

編集部:そうなんですか?まあそうか、移住というか…

みささん:そう、移住目的で来てるってなっちゃうから。それで、それを聞かれるということはやばいっていう証拠だからどうしようって。

編集部:フラグが立ってる(笑)

みささん:それでどうするって話をしたときに、結婚したいねってなって結婚したんです。だから、付き合って8ヶ月で入籍したのかな。遠距離だったし、親への挨拶とかも色々あってかなり大変でした。

日本で結婚式を挙げた時の様子

波が来たときに乗れる準備を!

編集部:でも、その間もともさんはこっちでアプリの開発をしてたんですよね?

ともさん:やってましたね。ちょうど色々なことが始まってかなり忙しかったです。

みささん:マックス忙しかった時に、ちょうど私がサンフランシスコに来て、家に帰れないからってホテルで暮らしてたもんね。

ともさん:そう、アプリを出すとか出さないかくらいのときで、忙し過ぎて会社がオフィス近くにホテルを取ってくれてたんです。後にも先にもあれはもうないと思うけど。

編集部:合宿みたいな感じですね(笑)

みささん:あの時は色々と怒涛だったね。

ともさん:合間を縫って日本に帰って親にも挨拶して、プロポーズもしてね。

みささん:そう。だから、私は2年間くらい日本とサンフランシスコを行ったり来たりしてたけど、それが丸く収まったのが去年の4月くらいで、ちょうど今サンフランシスコに引っ越して1年経ちますね。

編集部:ちなみに、結婚する時は不安とかなかったんですか?

みささん:そりゃありますよ!私からしたら、生活も変わるし、友達も遠くなるし、結婚もするし、会社もあるしで。

編集部:なんなら不安要素しかない(笑)

みささん:そう。そんな感じだったけど、やっぱり波が来たときにちゃんとそれに乗れる準備をしとかないといけないと思うんですよね。だから、「ああこれは波が来たんだな」と思って、それに乗った感じです。もちろん、生活に慣れるまでは大変だったけど、今では遠隔でもできる仕事を日本からいただけて、今まで頑張って来て良かったなっていう思いがあります。

ミレニアル世代の夫婦円満術

編集部:みささんの場合、例えば、すごく魅力的な案件が来て、「これすごくやりたいけど、これやっちゃうと毎日22時までやんなきゃいけない」みたいな状況があるかと思うんですが、そういう時はどういう軸で仕事の受ける受けないを決めてるんですか?

みささん:それは自分の中で優先順位を決めてるんです。私の場合は、1に家庭、2に自分のスキルアップ、そして、3に仕事。時間は限られているので、自分のできる範囲をきちんと考えて仕事を受けるか誰と一緒に行うか決めてます。だから、毎回そういう軸で仕事の話をさせてもらってます。

編集部:その辺の軸が自分の中に出て来たのは、こっちに来てからですか?

みささん:そうですね。やっぱりこっちで働きたいと思ったら、学歴、英語、スキルみたいな最低限持ってないといけないスキルセットがあることに気づいたんです。そして、それがないとアメリカでは上がっていけない。

上がっていくためにはどうしたらいいんだろう、もっと長く勤めるためにはどうしたらいいんだろうって考えた結果、今の自分があって、その中で優先順位の軸が決まって来た感じです。もちろん、全ては旦那さんがいてくれての私なので、ほんとに感謝してます。

編集部:旦那さんの支えと理解があってというわけですね。

みささん:語学学校行かせてもらったり、歯の矯正をさせてもらったり色々と。あと、今度コミュニティカレッジに行ってデザインの勉強も始めるんです。今後、子どもができたら状況も変わると思うんですけど、色々とやらせてもらってるので。

ともさん:そこはお互いに、支え合ってる感じですね。例えば、僕は自分一人で今の収入を得ているとは思っていなくて、やっぱりみさこがいるから結果が出せてるところもあるんですよ。だから、二人のやりたいことをちゃんと共有し合って、助け合いながら前に進んでいくっていうのを大事にしてますね。

みささん:私たち毎週大きなノートにお互いのやることとか目標を書いて共有してるんです。

編集部:そんなことやってるんですか?

みささん:今週こういうことを目標にしますみたいな。私だったら学校に休まず行って、クラスの点数を70点以上取るとか。

目標共有ノート:リラックスぜいたく券を発見!笑

編集部:めっちゃがっつり書いてますね。もし相違が出たらどうやって折り合いをつけるんですか?例えば、自分は今週すごく仕事に集中したいけど、相手は遊びたいみたいな場合は。

みささん:それはないよね?

ともさん:あまりないね。

みささん:まず、1年間の大まかな目標を二人で決めてるんです。お互いにやりたいことを100個くらい書いて、その被ってること、だいたい旅行なんですけど、それを何月に入れていこうみたいな。そういう1年間の大まかな目標は決まっていて、その中で1週間ずつ落ちてるんで。

編集部:もう完全にイケてるスタートアップの目標設定ですね(笑) 上からちゃんと落としていくみたいな。逆にそういう枠が決まっているからこそ、さっきの仕事を受ける受けないの軸もはっきりしているわけですね。

みささん:そう。お互いのやりたいことが具体的に共有できてるから、意見の相違も起こらないんです。「この時期はこれがあるから忙しいんだな」っていうのが分かるから、私もそれに協力できるし、逆に今週テストだから教えて欲しいことがあるみたいなこともあるし。

編集部:めっちゃいいですね。

みささん:だから、こういうのはすごく良いよね。お互いの目標と何にどれくらい時間を使いたいかが見えるので。

編集部:これ、本書いたら売れるんじゃないですか?(笑)

一同:(笑)

編集部:絶対そこのコミュニケーションエラーで喧嘩してる夫婦いますよ。特に日本だと仕事が忙しくてすれ違いも多いと思うので。

みささん:99%一緒にいる私たちでもこれって大事だから、一緒にいる時間が短いんだったら、もっと大事だと思う。お互いの目標とやってることへの理解。

編集部:ちなみに、これってどっちからやり始めようって言い出したんですか?

みささん:私ですね。

ともさん:自分は全然そういうの思いつかないんで。

編集部:それでとりあえずやってみたと。

ともさん:なんか、そういうコミュニケーションって難しいじゃないですか。答えがないし。だから、とりあえずやってみようかってやったら、すごく良くて。

編集部:なんだか夫婦のあり方がスタートアップ的で面白いですね(笑)

今後のキャリア観

編集部:今後のキャリア観についてはどうお考えですか?

ともさん:自分はエンジニアなので、これからも自分で手を動かしてプロダクトを作っていきたいと思いますね。あとはリモート的な働き方もできるので、もしみさこが違う国に行くってなったときには、ちゃんと付いて行って職を見つけられるよう今後もスキルアップしていきたいです。ただ、直近で一番行きたいのはハワイですね(笑)

編集部:ハワイですか?(笑)

ともさん:ハワイ行ったことないので、ハワイで仕事したいです。

みささん:ここ最近毎日言ってる(笑)

ともさん:ワークフロム”ハワイ”って言ってみたいんですよ。

編集部:それは今年1年のロードマップには含まれていないんですか?(笑)

ともさん:入ってないので、ちょっと考えます。あと、夫婦としてはこれからもちゃんと二人で一緒に過ごせるっていうのを大事にしたいですね。

みささん:私も、もし彼が次にどこかの国、ヨーロッパでもアジアでも良いですけど、そっちでチャレンジしたいというのであれば、それについて行きたいので、私自身、今はアメリカで語学とデザインスキルを身につけてアメリカの企業で働いてみたいですね。ちゃんとそこはエンターテイメントで。

編集部:世界の言語でですね。

みささん:そう。私の人生の目標が英語で原作を作ることなんです。それが実現するのはもう20年後かもしれないし、私が死ぬときかもしれないんですけど。そして、いずれは以前一緒にお仕事していた方々と、また違った形でお仕事できるようになりたいですね。そうなれるよう早く成長したい。

編集部:スキルアップですね。

みささん:なんか、こっちにいる人たちってみんな勉強してるし、みんな大学院出てるじゃないですか。こっちのスタートアップにいる人たちとか、優秀な人たちばかりだし。だから、勉強って大事なんだなって。

ともさん:こっちの人って年を取ってからも大学に戻って勉強し直すっていうのがあって、以前出会ったUberドライバーは、もう50歳で子どもも5人いるけど、大学院に行き直してデータサイエンティストになって、夏からGoogleでインターンするって言ってましたよ。

Uberとはアメリカで日常的に使われている配車サービスのこと

編集部:えええ、50歳で!?

ともさん:まあ、ちゃんとキャリアを積み上げて大学院に行ってるんだと思うけど、そういうキャリアの柔軟さっていうのはすごいなって。

みささん:私もチャレンジすることは好きなので、今までにやったことがあることはやりたくないんですよね。だからそういうチャレンジはすごく良いと思います。

編集部:さっき、今後はデザインを学ぼうと思ってるって言ってましたよね。

みささん:今までに、原作を作る、作品を売る、メディアミックス*をするみたいなのは経験したことがあるんですが、あとはデザインができたら全部コンプリートできるのかなって。自分が作った本の表紙を自分でデザインできれば、できることの幅も広がると思うので。
*宣伝効果を高めるために、複数の広告媒体を組み合わせること。例えば、小説やマンガの映画化/TV化。

編集部:デザインを勉強したらフルスタック (何でも屋) になれると。

メルカリのサンフランシスコオフィス

メッセージ

編集部:最後に、海外で挑戦したいと思っている人たちにメッセージを頂けませんか?

ともさん:チャンスっていつ来るかわからないじゃないですか。自分もたまたまメルカリに入って、運良く流れに乗ってここにいるくらいなので。だから、チャンスに備えておくっていうのはめちゃくちゃ大事だと思いますね。

ただ、海外と言っても色んな国があるので、もし行きたい国があるのなら、その国の言語は勉強した方が良いのかなって思います。あと、スキルもないといけないので、活かせるスキルをちゃんと磨いていくのも大事ですね。

みささん:彼すごく勉強するんですよ。だから、TOEICとかTOEFLもすごい点数取ってて。やっぱり、そういうスキルアップを日本にいる時からやった方が良いのかなって思います。

編集部:じゃあ、スキルを軸として磨きながら、その横で行きたい国の言語も勉強すると。あれ、でもみささんは勢いでアメリカに来たって言ってませんでしたっけ?

みささん:たしかに勢いで行ったけど、やっぱり勢いだけでは超えられない壁っていうのを見たんですよね。それを超えるためにも英語を含めた標準スキルが必要なんだなって。だから、次の人たちにはそうならないようにしてほしいです。もちろん、一度こっちに来て自分の目でその壁を見てみるのもアリだとは思うんですけど。

編集部:じゃあ、もし興味があって来てみたいというのであれば、一度試しに来てみるのはありなんじゃないかと。

みささん:来る価値はあると思います。自分でその壁を見るのも大事だと思うので。

編集部:例えば、夫がこっちに赴任するからということで、スキルとかキャリアはないけど旦那に付いて来るという女性もいるじゃないですか。そういう人はどうすれば良いんですか?

みささん:やっぱり自分で自分の足りないスキルを発見して、そこを1つずつ積み上げていくのが大事かなって思いますね。特に駐在員さんの場合、任期が2-3年って決まってるので、「2年だし、まあいいや」ってなっちゃうかもしれないんですけど、もしその間にできることがあるんだったらどんどんやった方が良いと思います。

私たちの場合、日本のメルカリからUSのメルカリに転籍したのであと何年ここにいるか決まってないんですけど、それでも次があると思ってるんですよね。それはアメリカ国内かもしれないし、そうじゃないかもしれない。だから、私はその長いスパンで物事を見て、自分に足りないスキルを足してるんです。駐在員の妻の方々もそういう目で物事を見ると良いんじゃないかなって思います。

ともさん:あと、旦那さんが来るから奥さんも一緒に来るっていうケースを前提に話すなら、旦那さんも奥さんとコミュニケーションを取って、「こういうことができるよ」っていうアイデアを出してあげた方が良いのかなって思いますね。

みささん:たしかに、私も初めはアメリカ人のコミュニティに溶け込むのに時間がかかったから、そういうのはどんどん旦那さんが連れ出してあげて、情報を与えてあげないと。奥さん側は何も分からなかったりするから。

編集部:そういうところも含めて、さっきのフレームワークを使ってコミュニケーションを取ることが大事なわけですね。

ともさん:そう思います。

編集部:きっと夫婦のあり方や関わり方で困っている人、もしくは今後どういう意識で過ごしていけば良いのか悩んでいる人たちには、すごく役立つメッセージなんじゃないかと思います。みささん、ともさん、本日はどうもありがとうございました!

最後まで本当に仲の良いお二人でした!

終わりに

今回は、『チョコラテ』CEOで小説家でもある女性起業家の今井みさこさん (みささん) と、『メルカリ』のサンフランシスコオフィスでAndroidエンジニアをされている今井智章さん (ともさん) にインタビューしました。

お互いの目標や何にどれくらい時間を使いたいかをちゃんと共有することでコミュニティケーションエラーを減らし、真に支え合える存在となる。自分のやりたいことと大事な人のやりたいこと。そのバランスが難しくなる時代だからこそ参考になる夫婦円満術なのではないかと思います。

僕も将来お嫁さんができたら、今井さん夫婦のような夫婦円満術を実践したいと思います!(まずはお嫁さん探しから!)

▼お二人のことが気になった方はこちら

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