【全力すぎてクレイジー?】米国kintoneで営業として働く千葉大生さん
本日のゲストは、ベイエリア20代社会人の会の幹事であり、現在サンフランシスコで事業を展開する「Kintone Corp (Cybozu USA) 」(以下、kintone) にて営業を務める千葉大生さん (大生くん) です。
UC Berkeleyで生物学と政治学を専攻していた大生くんが、なぜ日本貿易振興機構 (JETRO) のサンフランシスコ拠点に就職し、現在のkintoneに転職したのか、また学部時代に経験した週に3回も泣いたという過酷なインターンの話など、注目トピックが満載です!

千葉 大生 (Taisei Chiba):
2014年、UC Berkeley卒業。専攻はPolitical Science & Pre-Medicine。在学中にNJ州で一般家庭への飛び込み販売営業のインターンを経験。卒業後、JETRO(日本貿易振興機構) サンフランシスコ支部にて2年ほど対日投資の営業・コンサルに従事。2017年10月よりkintoneにジョイン。現在はProduct Marketing & Business Developmentを務める。
kintoneってどんな会社?
編集部:さっそくですが、kintoneってどんな会社なんですか?
大生くん:そもそも日本にある親会社のサイボウズが日本でいくつかグループウェア関連の製品を出していて、その中でも今一番伸びているのがkintoneという業務アプリ構築クラウドサービスなんです。要するに、チームワークを円滑にするコラボレーションツールですね。そして、アメリカではこのkintoneしか売らないということで、今はkintone corporationとしてベイエリアで事業を展開しています。
kintoneは開発の知識がなくても業務に合わせたシステムを
簡単に作成できるサイボウズのクラウドサービス
編集部:じゃあ業務効率の改善やコミュニケーションの円滑化を支援するようなサービスを提供しているわけですね。ちなみに、今は営業としてどういったことをされているんですか?
大生くん:新規の顧客開拓が一番大きなところですね。エリアとしてはベイエリアはもちろんなんですけど、もうちょっと北のサクラメントだとか、あとは中西部のシカゴも今後は担当していく予定です。ただ、今は会社全体で30名弱しかいないので営業以外のマーケとかも幅広くやっていくことにはなってます(笑)

編集部:スタートアップあるあるですね(笑)
大生くん:あともう一つの大きな役割は、日本で溜まっているノウハウのトランスファーですね。実はサイボウズが出してるグループウェアって日本のグループウェア市場ではシェアNo.1なんです。Microsoft、Google、IBMが同じような製品を出している中で1位を取るというのはすごいことで、もちろん全部がアメリカで使えるとは思わないんですが、今後はそういったノウハウのトランスファーもやっていくのかなと思います。
編集部:たしかにカルチャーとかも違いますもんね。ちなみに、新規開拓というのはこっちに来ている日系企業がターゲットなんですか?それとも現地の企業ですか?
大生くん:もちろん日系もやってくんですけど、あまりそこはこだわってないですね。結局日系であっても、例えばこっちでもう20-30年やってて工場も持ってますっていう企業だと中身はもう米系なんですよ。なので入り口として日本人同士のコネクションがあって入りやすいっていうのはあるかもしれないですけど、中に入ったらもう関係ないので、そういった意味ではあまり日系とか米系にこだわらずにやっていく感じですね。
編集部:ちなみに、今の企業って基本的に何かしらのツールが既に入っていて、それをkintoneに切り替えるっていう感じだと思うんですけど、どういう課題感があってkintoneに切り替えるんですか?
大生くん:もちろん切り替える場合は既存のものに不満があるという方が多いんですが、逆にそこに気付いてもらうということもあります。例えば、現状だとこんなところにデータが隠れていたけど、kintoneなら見えますよみたいな。kintoneの良いところは、既に大きなソフトを使っていても、そこでカバーしきれないような小さな部分から入っていけるところですね!
編集部:ギャップというか…
大生くん:まさしく。絶対にギャップはあるので、そこにkitnoneが入っていけますよと。なのでそこでkintoneの良さが伝われば、もうちょっと根幹のオペレーションのところも埋めていくみたいな横展開がしやすいんです。
編集部:ちなみに、ギャップから埋めるということは、企業の上からではなく部署ごと、プロジェクトごとに営業をかけていくんですか?
大生くん:仰る通りで、kintoneの強みというのがプログラミングとかを知らなくても視覚的・感覚的に扱えるところなんです。なので、例えばプロジェクトリーダーのようなエンドユーザーの方がkintoneを導入して、パッと自分でアプリを作って、それを部下に使ってもらうことも可能なんです。
編集部:実は僕らも以前kintoneのアプリ作成の様子を見せてもらったことがあるんですが、必要なものをドラッグ&ドロップで簡単に取り込めたり、サイズも変えられたりと、かなりフレキシブルですよね。
大生くん:だから、Salesforceとかも類似製品は出してますけど、内部にSalesforceを使える人が必要だったり、アウトソーシングして初めてセットアップができたりと、kintoneのようにエンドユーザー自体をターゲットにして売れる製品はなかなか無いんです。なので、そこがkintoneの強みですね。
編集部:Salesforceとかだと、全社的な意思決定になりますもんね。あと導入コストも高いから予算も取らないとだし。
kintoneは本気です!
編集部:働きやすさや働きがいといった部分についてどう思いますか?
大生くん:これはkintoneに入社した理由にも繋がるんですけど、日本のソフトウェア企業でアメリカとか世界で成功した企業ってたぶんまだないんですよね。でも、僕はkintoneなら少なくともアメリカで成功できる材料が揃ってると思うんです。それは製品であったり、本社からのコミットメントというところも大きくて。

編集部:たしかにコミットメントでいうと、こっちのkintoneってサイボウズ副社長の山田理さんが直接来てやってますもんね。
大生くん:そうですね。意思決定できる人がこっちにいるのは大きいですし、プロダクトに関しても本社がちゃんと理解して一緒にやっていこうという感じなのでそこは本当に大きいと思います。あと在米日系企業にしてはめちゃくちゃ働きやすい環境ができているのも大きなところで、よく日本の営業スタイルや雰囲気を持って来たがる企業も多いと思うんですけど、そこはちゃんと割り切って現地化しているというか、本当にシリコンバレーのスタートアップのようにやっているので。
編集部:親会社のサイボウズ自体も働き方を意識しているところがありますもんね。そういった点からも熱意というか、本気度が伝わってきてすごいなーと思います。
大生くん:そうですね。やっぱりそれぐらい本気じゃないと僕もやる気にならないので、そこはワクワクしてる部分ではあります。
編集部:実は以前、kintoneのオフィスで山田理さんとお話しする機会があったんですが、東証一部上場企業の役員なのにそれを全く感じさせない物腰の柔らかさというか仏のような人だなと思いました。
大生くん:僕も先日、青野社長とお話しする機会があったんですが、仏様みたいな感じでしたね。おそらくあの人たちはベンチャーで始まって何回も地獄を見ているからこそ、あの領域に達してるのかなと思います。実は今のkintoneが現地のシリコンバレー企業っぽくできているのは、山田さんの思い切りの良さがあるんです。
編集部:山田さん自身の決断力や行動力があっての今なんですね。現地というかアメリカ人の採用も上手くやっている印象があるんですが、そこも山田さんの影響が大きいんですか?
大生くん:山田さんの魅力もありますけど、そこはCEOのDave Landaさんの影響も大きいのかなと思います。やはりトップを現地の人にすることでローカルの人も採用しやすくなると思うので。

チームもかなり現地化されている
(左上が山田理さん、その隣がCEOのDaveさん)
編集部:メルカリもそうですよね。FB元幹部のジョン・ラーゲリンさんがCBOとして参画したことで、現地のハイレベルな人を採用できるようになったという話を聞きました。現地での採用や意思決定のスピード等についてはまさに日系企業が躓くところだと思うので、ぜひkintoneさんにはそのあたりのノウハウを日本に還元していただきたいなと思います!(笑)
専攻は生物学と政治学?
編集部:大生くんって幼少期はバルセロナで過ごしたんでしたっけ?
大生くん:2歳までなんで覚えてないですけどね(笑) その後、3歳から小4までベイエリア、小4から中3まで東京、そして高校でニューヨークに行って、大学がカリフォルニアです。
編集部:なんだか激しいですね(笑) 大学はUC Berkeleyですけど、大学の時にアメリカに残ろうと思ったのはなぜですか?

カリフォルニア大学バークレー校はアメリカ屈指の名門校。
卒業生には孫正義やスティーブ・ウォズニアックがいる。
大生くん:当初は日本に帰る予定で、日本の大学を受ける準備もしてたんですけど、せっかくアメリカにいるし、周りもみんなアメリカの大学を受けてたので、とりあえず受けるだけ受けてみたんです。そしたら何個か受かったので、学費は高いけどオプションとしてアメリカもあるのかなと。
編集部:最終的な決め手は何だったんですか?
大生くん:理由は主に三つあるんですけど、まず一つ目が、実はその時までちゃんと勉強したことがなかったんですよ。もちろんこっちの大学に入るには勉強もしないといけないんですけど、こっちって課外活動も評価の軸なんですよね。なので、スポーツ、音楽、ボランティアなどもしていて、総合的に見るとやはり勉強の時間がそんなに長くなかったんです。人生どっかでは死ぬ気で勉強しないといけないなと思っていたので、それを考えた時にたぶん日本の大学よりはアメリカの大学の方が周りに勉強する人が多いかなと思ったんです。
編集部:なんだかストイックですね(笑)
大生くん:二つ目の理由が、中学の頃からすごく社会学とかに興味があって、最終的には高校のときに政治に興味を持って、政治学を勉強したいなと思ってたんです。実はUC Berkeleyってアメリカの中でも3本か5本の指に入るくらい政治学が強い学校で、もちろんどういう基準で測るかによるんですけど、日本に行くとなかなかそういう大学で勉強する機会はないんじゃないかと思ったんです。
編集部:バークレーって政治学が強いんですね。
大生くん:三つ目の理由が、政治には興味があったんですが、もし勉強して嫌いだったらどうしようかって考えるわけですよ(笑) それを考えた時に、日本の大学だと受験の段階である程度専攻を決めないといけないじゃないですか。でもアメリカの大学だと、基本的に3年目くらいまでは自由に授業を選択できて、何が好きで何が嫌いかっていうのを見極める猶予があるので、それは自分にとってすごく大事かなと思ったんです。
編集部:たしかにこっちはその辺がフレキシブルというか、結構転々として自分のやりたいことを見つけて卒業する人も多いですもんね。ちなみに、大学では最初から政治学を取ったんですか?

大生くん:最終的には政治学と生物学の二つに落ち着いたんですが、哲学、統計、物理の授業とかも取ったりしましたよ。というのも、もともと得意だったのは理系科目だったので。
編集部:生物学はどういう軸で興味が湧いたんですか?
大生くん:もともと人間の動きとかに興味があって、それを政治学でマクロに、生物、特に細胞生物学でミクロに見てたので、今思うとマクロとミクロ両方の視点で人間の動きを見たかったのかなと思います(笑) だから、ダブルメジャーする人はいるんですけど、理系と文系でやる人はいなくて、専攻を決める時に政治学と生物学のダブルメジャーをしようとしたら、カウンセラーの人に「お前クレイジーなの?バークレーの中でもたぶん歴史上2人目だよ。」と言われました(笑)
編集部:それどうなったんですか?(笑)
大生くん:卒業する手前の最終学期までは両方取ってたんですよ。でも、その最終学期で運良くフランスのパリにある政治学校、政治家とか官僚を排出している学校に留学できるチャンスが巡ってきて、でもそっちに行くと生物の単位を落とさないといけなくて… かなり迷ったんですが、この機会は逃したくないと思い、最終的にはフランスに留学しました。なので卒業した時には政治学しかなかったですが、それでも理系科目の方が2倍以上は授業を取ってましたね。
編集部:なんだか勿体無い気もしますが、そこは貴重なチャンスだったから行くしかなかったわけですね。

バークレーのキャンパスにはリスが多く見られる
超過酷なインターン
編集部:大学時代にやばいインターンをしていたという噂を聞いたのですが…
大生くん:僕、幼少期に見た「火垂るの墓」以来泣いたことなかったんですよ。でも、そのインターンでは最初の週に3回泣きましたね(笑) それくらい過酷なインターンでした。
編集部:それはどういったインターンなんですか?
大生くん:Southwestern Advantageっていう150年くらい続いてるアメリカでは結構有名なプログラムで、内容としてはアメリカの田舎で学習教材を飛び込み販売するという、要するに知らない人の家をひたすらドアノックする感じです。週100時間は働いてましたね(笑)

編集部:週100時間ってイーロンマスクでしか聞いたことないですよ(笑)
大生くん:実はインターンシップではあるんですが、ビジネスとして全部自分でやらないといけないんです。しかも貯金も持っていっちゃダメなので、教材が売れないと食事もできないし、住んでる家も蹴り出されるんです。なので、いかに極限の状態で頑張れるかっていうのが試されるインターンですね(笑) インターンに来る人も修行というか精神を鍛えに来てる感じだったので。
編集部:もう軍隊のブートキャンプですね(笑) それって応募する人はいるんですか?
大生くん:実はかなり人気で、応募しても100人に1人しか通らないような結構コンペティティブなインターンなんです。というのも、先輩のネットワークがかなりすごくて、現エネルギー長官のリック・ペリーさんやボストンコンサルティンググループ創業者のブルース・ヘンダーソンさんもこのインターンの卒業生なんです。
編集部:顔ぶれがすごい(笑)
大生くん:なので、これを乗り越えてすごいところに行ってる方も多いので、自分もやってみたいと思ったのが興味を持ったきっかけですね。実際に卒業生何人かにお会いしたんですが、オーラが違うというか、どんなことがあっても絶対自信を持って突き進めるような感じの人が多かったです。
編集部:途中でプログラムを辞退する人はいなかったんですか?
大生くん:プログラム自体は12週間で、選考の段階で結構タフな人ばかりを揃えてるんですけど、それでも最初の1週間で半分くらい辞めますね。みんな泣いて帰ります。僕も泣いたんですけど、ここで妥協したら今後の人生でも妥協が増えるなと思ってそれだけはやめようと必死に食らいつきました。だから、もうどんな日でも、台風とか洪水の日もあったんですけど、ひざ下まで雨が来る中でも絶対外で営業してましたね(笑)
編集部:向こうもそんな日に来たら何が来たんだってなりません?(笑)
大生くん:逆に雨の日ってみんな家にいて暇してるのでチャンスなんです(笑)
編集部:たしかにピンチはチャンスって言いますけど…(笑)
大生くん:あとインターン自体はニュージャージー州のすごく田舎の方だったので、普段なら絶対会わないような貧しい人からめちゃくちゃ裕福な方まで色々と触れ合えて、そういう意味では「ああ、これが本当のアメリカか」っていうのは体感できましたね。
編集部:インターンが終わった時はやっぱりスーパーサイヤ人みたいな気持ちだったんですか?なんでも来い的な?(笑)

大生くん:そうですね。これ以上辛いことはないだろうし、なんでも来いみたいな感じではありましたね。ただ、頑張り過ぎた反動で終わった後2ヶ月ぐらいずっと熱がありましたが(笑)
編集部:燃え続けたわけですね(笑) でも良いですね。学校では政治を勉強して、インターンではビジネスに触れられて。
大生くん:そうですね。営業ではあったんですけど、会計、在庫管理、コスト管理なども全部自分でやったので、すごく勉強になりました。コストを下げるためにいかにサンドイッチを少なくして、ハムとレタスだけで食い繋ぐかみたいなことも考えてたくらいなので(笑)
JETROに入社した背景
編集部:就活自体は4年生のフランス留学から帰国した後に始めたんですか?
大生くん:実は留学のプログラムが少し長めだったので卒業式には出れてなくて、なのでその間に就活もできてなかったんです。だから、アメリカに帰ってから職がないみたいな感じでした(笑)
編集部:やばいニートになるみたいな?(笑)
大生くん:実際7ヶ月くらいニートというか就活してました。最初はインターンの先輩のツテとかを利用してたんですが、結局一番効率が良かったのはLinkedInとかで面白そうな人に直接コンタクトして、コーヒーしながら話を聞くっていうやり方でしたね。それで結構ネットワークも広がりましたし、自分自身の軸や業界的な興味も分かったので。
編集部:初めはどんな業界を見てたんですか?
大生くん:そもそもその頃はどの領域が面白いのか分かっていなくて、コンサルなら幅広く色んな産業のプロジェクトに携われるかなということでコンサルを見てました。米系も結構受けて色んな方とお会いしたんですけど、コンサルって激務だからか目が死んでる方が多かったというか、キラキラ感が感じられなかったんですよ。なんかそれは違うなって。なので実際に興味が湧いたのは2-3社しかなくて、いくつか内定も頂いたんですが、そんな時にJETROからお誘いを頂いて。
JETROは日本経済の拡大を目的に、日本の貿易を促進させることと日本に対する投資に関する業務を行う。–Mayonez
編集部:JETROに決めた理由は何だったんですか?
大生くん:まず大学の時に生物と政治を勉強していて、その点と点が繋がったのがJETROなんです。JETROって別に政策を作ったりはしないんですけど、経産省の下にある政治組織みたいな感じで、そういえば大学で政治学を勉強したよなと。あとその時サンフランシスコオフィスで空いてたポジションがヘルスケア関連というところで、生物も勉強したなと。だから、今まで勉強したことが繋がるかもしれないと思ったんです。
編集部:そこでスティーブ・ジョブズしたんですね(笑)
スティーブ・ジョブズする (動) : 点と点を繋げる
大生くん:ジョブズしましたね(笑) あと、その職が結構コンサルに近くて、ヘルスケアではあるんですけど、サンフランシスコやシリコンバレーにいる色んな業種のスタートアップやIT企業も見れるという感じで、そこは大きかったと思います。
編集部:JETROではどんなことをしてたんですか?
大生くん:主に米系企業の日本進出支援ですね。対日投資事業の中でもいくつか役割があって、まず一つ目が営業で、そもそも日本に興味を持っているところが少ないので、米系企業さんに日本の魅力を伝えて日本進出を考えていただくという営業です。これは本当に泥臭くて、カンファレンスのブースをまわったり、コールドコール、コールドEメールをしたり、声掛けをしたりという感じです。
編集部:インターンの経験がここで活きてくると(笑)
大生くん:まあ日本市場の魅力を伝えられる仕事もそんなにないので楽しかったですよ。二つ目がお客さんを捕まえた後のコンサル業ですね。コンサルというと聞こえは良いですが、これもかなり泥臭くて、まず戦略を立ててどうやって日本市場に入っていくか、それに伴ってどうやって日本企業のパートナーや代理店を見つけて行くかというところのお手伝い、その後、日本である程度シェアが拡大できたら、今度は採用や法人化のお手伝いもしていたので、結構最初から最後まで1-2年かけて一緒にやってましたね。
編集部:かなり大変そうですね。
大生くん:三つ目は半分趣味だったんですけど、JETRO内へのSalesforceの導入です。JETROって世界120拠点で多くのお客様と向き合っているのに、顧客情報を統一するシステムがなくて、個人個人がExcelでデータを管理してることもあったんです。なので、何か取り入れようということでSalesforceを導入するプロジェクトを1人で勝手にやってましたね。
編集部:それって1人で勝手にできる規模のプロジェクトなんですか?(笑)
大生くん:やはりJETROに長年勤めている方からは「Excelで良いじゃん」という意見もあってすごく大変でした。あと僕が一番若かったので。なので、かなり苦労したんですけど最終的には北米のみなさんに使っていただくようになって、今度は日本本社やヨーロッパ、オーストラリアにも展開していこうという段階になっているようです。
編集部:ちなみに、民間企業で日米の架け橋をされている企業もいくつかあると思うんですけど、JETROは政府系というところで、何か違いはあるんですか?
大生くん:本来であれば差別化しなくてもJETROが率先して対日投資事業を牽引しないといけないんですが、これもどこかのタイミングで民間企業ができるようになれば必要なくなるとは思います。でも、今の段階では対日投資専門でやってるところがそんなに多くないので、まだまだJETROがやらないといけないことはあるのかなと思います。
編集部:たしかに規模的にも、政府系のプロジェクトのように大きなものになるとJETROじゃないとやれないこともあるかもしれないですもんね。
大生くん:そうですね。対日投資事業は小泉政権の頃から始まって、今の安倍政権で本腰を入れましょうって感じで結構予算を付けて頂いているので、JETROが率先してやっていかないとですね。あと、経産省の下なので政策という意味では一番身近にいるわけだし。
編集部:たしかにそこは大きいですね。
大生くん:例えばUberが日本に入れないのも規制があるからで、その規制緩和のところはJETROがどんどん経産省に訴えかけていかないとですよね。そこがJETROの強さだとも思うので。
kintoneに転職した背景

kintoneが入っているコワーキングスペース
編集部:JETROは政府との繋がりもあって結構やりがいもあるのかなと思うんですが、そこからkintoneに転職した背景を教えてもらえますか?
大生くん:僕の場合「JETROに貢献する=日本に貢献する」だと思っていて、今の自分の能力だとこれ以上JETROに貢献できないなと思った時があったんです。であれば他も考えるかなというのが転職活動を始めたきっかけです。
編集部:なるほど。
大生くん:あと僕の場合はお客さんにヘルスケアやソフトウェアのスタートアップが多くて、向こう側に行くのも楽しそうだなとか、エキサイティングなプロジェクトだったら入ってみたいなと思うことは前々からあったので。まあコンサルあるあるですが(笑)
編集部:それはよく聞きます(笑)
大生くん:あと僕の中ではソフトウェア、特にエンタープライズ向きは動きも速くて面白いなと思っていたので、そういうのを探していた時にkintoneから話が来て、kintoneはそこらへんが全部当てはまったんですよね。なので、ここかなと思いました。

広々としたオフィスで、会議室もかなり多い
編集部:じゃあkintoneのことはもともと知ってたというよりはそのタイミングでたまたま話が来て知ったという感じですか?
大生くん:もともと知り合いもいて繋がってはいたのと、サイボウズの話は新聞でもよく目にしていたので、kintoneのことはもともと知ってました。
編集部:そういえば、JETROで2年間かけて導入したのがkintoneではなくSalesforceだったというのはなぜだったんですか?(笑)
大生くん:その時にkintoneに出会ってたらきっとkintoneを入れてたと思います(笑) JETROってITシステムにそんなに強くなかったから、kintoneの方がもっと柔軟に使えたと思うし。
編集部:まあ2年前だとタイミング的にkintoneと出会ってないですよね。じゃあその後悔もあってkintoneに転職されたと(笑)
大生くん:こじつけですけど、まあそうですね(笑)
今後のキャリア観とビジョン
編集部:今後のキャリア観やビジョンなどはありますか?
大生くん:僕はアメリカ生活の方が長いんですけど、やっぱり心は日本人だと思っているので、日本とアメリカ両方に貢献できるような人間になりたいなと思ってます。

編集部:将来、日本に帰ろうとは思いますか?
大生くん:実は今回、kintoneに入る前に日本に帰っても良いかなとは思ってたんですけど、日本には日本を内側から変えられるような優秀な方がいっぱいいると思うので、そうであれば、僕はアメリカでノウハウを蓄積して、そういったものを将来日本にフィードバックする方が良いなと思ってます。アメリカで勝負する日本人はまだまだ少ないですし。
編集部:なんだか頼もしいですね。
大生くん:アメリカでいかに上手くやっていくのか、勝負していくのかというノウハウは、それほど多くの方が持っているわけではないので、自分の差別化という意味でもそういう道に進んだ方が良いのかなと心のどこかで思ってますね。
編集部:ちなみにサンフランシスコだとUberやAirbnbみたいなユニコーン企業があったり、なんならSalesforce.comもある中で、逆にアメリカの企業に入ろうとは思わなかったんですか?
大生くん:実は、どちらかというとそっちの方が強かったです。というか、アメリカにいるとオプションとしてそっちの方が多いので。だから実はSalesforceからも話はあったんです。ただ、日本のことを知っているというのも実は強みなので、そういったものを最大限に活かしたいなとも思うんです。もちろん、本当にアメリカで成功するにはアメリカの企業で働かないといけないと思うので、将来的にはありえますね。ただ、kintone自体は米系のスタートアップのようにやっているので日系企業だと思うことはあまりないです。
編集部:なんだか話を聞いていると、大生くんはどうすれば自分が一番バリューを出せるのかを色んな軸で考えてるんだなと思いました。
大生くん:やっぱ何かしらバリューがないと生きていけないですよね(笑)
編集部:たしかにアメリカ人ってバリューが出せないとすぐ職がなくなるという話もあるから、常にみんなどうやったら自分がバリューを出せるのかを考えてますよね。
メッセージ
編集部:何かに挑戦したいと思っている方に何かメッセージをもらえませんか?
大生くん:僕は別にみんながみんな英語を勉強してアメリカに来た方が良いとは思っていなくて、それよりかはロールモデルがどこにいるかの方が大事かなと思うんです。というのも、そのロールモデルの近くにいた方が自分が学べる機会も多いと思うので。例えばそれがシリコンバレーだとかアメリカなんだったら、それはそこに行って、たとえその人の下じゃなくてもその人の近くで働くのはありなのかなと。
編集部:それは間違いないですね。Googleのキャンパスに行って、ラリー・ペイジがあの辺にいるって言われたら、そういうのを感じられるだけでも刺激的ですもんね。
大生くん:そして、もしロールモデルがいないのであれば、それを見つけるオプションとして留学はありなのかなと思います。
編集部:ちなみに、今ってロールモデルはいるんですか?
大生くん:青野さんや直属の上司をはじめ、社内には尊敬できる人がいっぱいいます。これはkintoneの宣伝にもなってしまうんですけど、kintoneって誰がどこで何をしてるかが100%可視化できるんですよ。なので、例えば僕が尊敬する青野さんが今何をしてるのかも見ることができるんです。結局、会社にいる時間って家族や友達と過ごす時間より長いですよね。すると、そういう人たちから受ける影響は知らず知らずのうちに大きくなると思うので、近くにロールモデルがいて、その人たちが何をしてるかが見えるというのはすごく大きいかなと思います。
編集部:ちなみに、その動きが分かるっていうのはどのレベルでわかるんですか?
大生くん:スケジュールをはじめ、細かい仕事の進捗まで分かります!会議でどういう発言をしてるかとか、その議事録とかも全部見れます。ほんとめちゃくちゃオープンです。もちろん、一部公開できない情報もあるだろうけど、経営戦略会議でどういう話がされているかとかは見れたりしますよ。
編集部:すごくオープンですね!じゃあそういった意味でも、近くにいたり何をしてるのかが見えるというのは大事なわけですね。大生くん、本日はどうもありがとうございました。

まとめ
本日は、ベイエリア20代社会人の会の幹事であり、現在サンフランシスコで事業を展開する「kintone」にて営業を務める千葉大生さんにインタビューしました。超過酷なインターンを最後までやりきったエピソードや1人でSalesforceの導入を試みたJETRO時代の話など、何事にも妥協せず常に全力で取り組む大生くんの人となりを垣間見たように思います!僕も大生くんのように初志貫徹で邁進していきたいと思います!
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